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外国為替取引に関する備忘録

【9月第2週】G20声明で「通貨安競争」へ牽制。ドル円はトレンド転換を選択。 - 来週の相場

 

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photo credit: Comfyness via photopin (license)

 

 

先週もドル買いの力は完全に衰えています。

セリングクライマックスからの自律反発はそれほど続きませんでした。

 

また、この週末にはG20の声明も出ました。

私が声明の中で注目したところは以下です。

 

金融市場安定に向け、「通貨の競争的な切り下げを回避」する方針を明記した。

 

 日本経済新聞より引用)

 

これはかなり重要なことです。というかこれ以外の文章は別に読む必要のないくらいです。

今まで通貨安競争をやりたい放題行ってきた各国に対してようやく「はっきりとした牽制」が入りました。

それも公式な場で、です。

これで日銀の追加緩和はさらに行いにくくなったでしょう。(そもそも私は日銀が追加緩和を行うとは考えていませんが。)

 

このことにより、以下の記事内

honamifx.hatenablog.com

 

ここから先は推測でしかないですが、やはり世界の中銀はすでにこのドル高に危機感を持ち始めているのではないかと考えています。

ドル独歩高に誘導してきた世界の経済がそれに対し「行き過ぎである」と考え始めた可能性があるということです。

でなければ、中国人民銀行が切り下げ後にドル売り介入を行ったという行動には疑問が残ります。

上記で推測していた部分に確信を持つことができました。

ドル高は終わると考えていいと思います。

  

 

また、G20で麻生財務相が中国に対し「普通の国ではない市場介入」だと批判しました。

たしかにその考えは正しく、元の切り下げ後にドル売り介入するなどというのは「普通の国ではない市場介入」であったと言っていいと思います。

しかし、我々はなぜ普通の国ではない市場介入が行われたのかについて考える必要があります。

 

ブルームバーグによると

同会議に出席した2人の当局者が匿名で語ったところによると、中国の計画に不満を表明したのは麻生財務相だけだった。

とされています。

 

つまり、中国の行動については米国、FRBが一枚噛んでいた、もしくは了承済みであり概ね満足していると考える方が自然だと私は考えています。

そして、その行動はドル高を止めるための手段、通貨安誘導を進めないようにするためのものであれば成功していたということにもなります。

中国のドル売り介入時に、インド中銀もドル売り介入を実施していました。

その時点でドル高を望んでいない中銀が存在することがわかります。

そして、今回の通貨安競争への牽制で米国もドル高を望んでいないことを推測することができます。

 

さらに、他国から不満がでないことから「自国通貨安ドル高政策を続けたいのが日本だけなのではないか」とも考えています。

日本はGPIFを含めドル高の終焉に対してまだ万全の準備ができていなかったのではないか、ということです。

そう考えれば今までの日経の底堅さも納得できますし、ユーロドルが早々にドル売りに転じてもドル円が130円を目指し続けたことにも合点がいきます。

 

ここで重要なのは決して「日本が経済的に後手を打っている」とかそういうことではなく(投機家からすれば国の財政や金融政策についての心配や批判をする必要はないことですので)、他の国が中国の行動に対してむしろ歓迎しているところがあるということです。

そういう意味でドル売りに転じやすい時期にきていると見ていいのではないでしょうか。

 

USD/JPY

 

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USD/JPY(日足)

 

上を目指すためには抵抗されるべきではない部分で下落しています。

この時点で多くの市場参加者はすでに上方向を諦めたと見ていいと思います。

もし、再び130円を目指すためにはセリングクライマックス後に悠々とぶち抜いていく必要のあった抵抗線です。

すでに買いの考えはありません。

どれだけ安いからといってお得なわけではない相場が始まると思っています。

これから116円台を割ることで下降トレンド第一波が完成する可能性の方が高いです。

上の記事で持っている125円06銭でのショートはまだホールドです。

 

EUR/USD

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EUR/USD(日足)

 

雇用統計の動きに関してはそれほど気にする必要はありません。

実質追加緩和がされるようなこともあるみたいですが、それもユーロ売りの材料にはもはやならないと思います。

材料的にはもっと売り込まれても良かったところが100pips程度の値幅で収まっているところから本気でユーロを売ろうとしている参加者はいないと思います。

対ドルで見た場合に「たとえ緩和中でも買わなければいけない通貨」の一つになると考えています。

私が慌てるのは1.08台を再び下回ってからです。

 

GBP/USD

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GBP/USD(日足)

 

先週懸念してた通りポンドの下落は止まりません。 

ポンドがなぜこう弱いのかはよくわかりませんが、ポンド円の動きと合わせて考えると資源国通貨の一つとしてリスク回避に向かっているようです。

ファンダで考えた場合そこまで下がる必要もないのでは?と思っています。

と言っても下落している以上買う理由は一切ありません。

対ユーロでも弱いので長期で見た場合に下を目指す展開もなくはないのかな、という気はしています。

ただ、依然トレンド転換がすでに終わっているという考えは変わっていません。

だからと言って今の状態では買える通貨ではないのもたしかなので注視するだけの通貨で良いと思います。

 

 

資源国通貨

こちらは豪、キウイとリスク回避の円買いに押されてかなり弱い状態です。

ドル売り、という一点を重視して買われて欲しいところですが足並みは揃わないようです。

ただ、売りにかなり傾きすぎているのでどこかで原油や商品市場、ドルインデックスとの乖離が是正されれば買いでついていきたいとは思っています。

その場合円が思った以上に強いので、クロスではなくストの方が良さそうです。

週末に通貨安競争に対して牽制も入っているので週明けでストは買われても良いと思っています。

ただ、材料が乏しい中では、やはり米利上げ待ちなのかなという気もします。

 

 

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WTI(日足)

 

原油市場を見てもそれほど弱くはないので買いに転じても良さそうですがそのタイミングはまだのようです。

 

 

 

今考えるべきは9月の利上げの有無ですが、私は別にどちらでも良いと思っています。

なぜなら9月に利上げが行われようが行われまいが「ドルが買われる材料」にはならないと考えているからです。

その理由は「利上げ後退からの失望売り」でも「利上げからの事実売り」だろうとニュース出来るからです。

そんなアホな理由、と思うかもしれませんがこれがそうでもなくて、過去を見ても「利上げからの事実買い」がほぼない以上有利な方向に張るべきだと考えています。

株式が上を目指せない以上はリスクオフ相場です。

 

 

 今週もよろしくお願いします。

 

 

 

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