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外国為替取引に関する備忘録

【9月第4週】FRB、年内利上げの可能性を示唆しつつ据え置き。市場は少々複雑。 - 来週の展望

 

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photo credit: Dusk in September via photopin (license)

 

 

今回のFOMCFRBは英断だったと思います。

私は利上げするものだと思っていましたが、FRBは利上げをせずに市場を正常な動きに戻すことに成功しました。

どういうことか説明します。

 

FOMC直後の為替の動きは利上げ観測後退による「ドル売り」でした。

これだけ見ると特筆することはないのですが、株式市場と照らし合わせることでいかにFRBの判断が正しかったかがわかります。

 

 

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S&P500(日足)

 

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日経225(日足)

 

利上げ後退で株式が下がっています。

今までなら利上げ後退の株式は「買い」でした。

それがそうはならずに、ドル売り株売りの状態となりました。

なぜそうなったかを考えてみます。

 

 

今回仮に利上げをしていたとすれば株式は間違いなく暴落していたと思います。

金融引き締めでこの高さに保たれている株式が下落するのは目に見えていました。

しかし、据え置きにすることでまずそのパニック売りを抑えています。

 

 

さらに重要なトリックが隠れています。

 

後の声明で年内利上げの可能性に言及しています。

年内というとあとは12月のFOMCしかありません。(10月や11月に臨時で利上げがなければ)

つまりこの時点で「実質次回で利上げは確定」という考える市場参加者が多くなるわけです。

こうすることによって「利上げはしていないけど12月に利上げがあるのは必至」ということから実際に利上げをした時と同じ動きを誘発することになりました。

しかし、実際に利上げはしていないのでそれほど大きなドルの下落となりません。

つまり、「9月利上げなし」による株買いドル売り「12月利上げ確定」による株売りドル買いでうまく相殺され大きなショックにはならなかったわけです。

そして後者の考え方の市場参加者の方が多かったということです。 

 

 

FRBはこうすることでゆるやかなドルの下落、株式の下落を作り出したのだと考えています。 

利上げを先送りしていくことでイエレンの顔に泥を塗り、信頼を下げていくことにも繋がっていましたが、むしろ今回のことで私の中ではイエレンの評価があがり、FRBに対してもかなり信頼できると考えました。

株式や新興国通貨に対するかなりの配慮が見てとれます。

 

 

USD/JPY

 

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 USD/JPY(4時間足)

 

ドル円は非常に美しい三角保ちあいを形成中です。

私は下に抜けていくと思っていますが、これほどわかりやすい三角であれば抜けてからのポジションでも良さそうですね。

追加緩和とか年金とか考える必要はありません。

そういう思惑では大きな動きをつかむことができないので、今こそテクニカルを重視する方が良いです。

私の売りは全て依然ホールドです。

 

 

AUD/USD

先週は豪ドルの強い週でした。

多分クロス円を含め、あらゆる通貨の中で最も強かったのではないでしょうか。

 

 

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AUD/USD(1時間足)

 

短い足では美しい上昇トレンドです。

先々週に持ち直したと書いたロングはまだホールドしています。

党首も代わり若干空気感が変わっている感じもあります。

先週木曜には豪中銀も豪ドル安牽制を少し匂わせるような発言をしていました。

 

 

金曜の最後の下落は少し気にはなっていますが、大きな動きで見た時に豪中銀の目標レートであった0.75あたりまではとりあえず戻っていいと思っています。

 

そう考えても良い根拠として二つあります。

 

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AUD/USD(日足)

 

まず、日足の下降トレンドラインを上方向に破っています。 

このラインは私なら絶対に売るところです。(先週に買いを持っていなければ)

TL上でのもみ合いでどれくらいの売りが入るか見ていましたが、それほど大きな売りは入らず、むしろその売りも押し目として使われていました。

あまりこの水準で売りたい人は少ないのだと思います。

 

 

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AUD/USD(月足)

 

月足で見ると8月のリスクオフ時に割れてしまった月足TLの内側に再び戻してきています。

このTLを割れてしまった時点で私は前回の買いを投げたのですが、戻ってくる力があるのであれば少し話が変わってきます。

 

ユーロドルの月足チャネルと同様に注目はされているはずなので転換させるならこの位置しかなく、ここが割れてしまうと下値を探しにくくなるので「難しく」なってしまうことを市場参加者は嫌うのではないかと思っています。

市場参加者というのは多くが難しい動きを回避しようとします。

そうしないと儲からないので。

 

 

金利通貨の底値を今か今かと待ちわびている人間が、私のように長期でのポジションを買い戻したいのではないかと考えます。

少なくともドル高の転換期ですので、資源国通貨が買われるにはかなりいいタイミングです。

同じようにキウイドルが強い、対円でも落ちないことから見てもリスクオンのドル売りになっている可能性は非常に高いです。

 

自分の思っている動きになれば徐々に買い増していきたいところです。

 

 

EUR/USD 

 

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EUR/USD(日足)

 

上を目指してはいますが、それほど強くはありません。

ただ売る地合いではないので買いをホールドして見ているだけの相場です。

 

 

特に書くことはありませんが、ここで珍しくユーロクロスを見てみます。

 

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EUR/AUD(日足)

 

ユロ豪を見た時に、リスク回避時の暴騰を機に一度天井をつけているような感じがあります。

この時点でオージー>ユーロの構図となっているわけです。

ユーロは3月のFOMC、8月のリスク回避時、とかなり先行してドル売りを行っており、今までかなり強い通貨だったんですね。

つまり、クロスで見た場合にもかなりの買いが溜まっていると考えられるので他の通貨が強くなってきた今は特段弱くなる可能性はあります。

なので下は目指さないけど上も重い、という感じの動きになるのではないかと見ています。

 

それを頭に入れておくことで少々下がっても特に何も思わなくなります。

 

 

GBP/USD

やはりポンドは動き出すと一方的です。

 

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先々週までの不安を払拭する上げ方で再び上昇トレンドへと持って行きました。 

ここへ来て英中銀はかなり利上げを匂わせてきているのでポンド高へと誘導したいのだと考えています。

実際に利上げがあるかどうかではなく、中銀がどうしたいかを汲み取るべき相場だと思います。

来週も押し目買いされ一段ポンド高になると思います。

 

 

XAUUSD

 

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XAU/USD(日足)

 

先週の記事で押し目買いが入るかも、と書いたゴールドが案の定押し目買いされています。

これは非常に重要なことで、ゴールドは買われていますが円買いはされていません。

つまりリスクオフの金買いではなく、資源によるドル売りです。

これからドル売り圧が高まる可能性を見ることができます。

 

 

 

 

FOMC明けということもあり、来週は頭を悩ませる市場参加者によって揉み合う可能性はあります。

まだ明確にドル売りとなっているわけではありません、が次第に空気感は変わっています。

 

 

来週もよろしくお願いします。

 

 

 

私が使っているチャートツールの「TradingView」の日本語バージョンがリリースされました。

これを機会に一度使ってみてください。

 

使い方を書いた記事はこちら

honamifx.hatenablog.com

 

 

 

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