【9月第1週】セリングクライマックスにより再度リスクオンへ。先週の暴落はとりあえず忘れるべきだが・・・。 - 来週の展望
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先週は怒涛の一週間でした。
もともとリスクオフを見越してポジションを持っていたので新規で円を買いまくった以外ではほとんど見ていただけです。
今はクロス円での円買いを手仕舞っただけでポジションは株式暴落前となんら変わっていません。
8月24日、ドル円は一時116円をつけるセリングクライマックスのような動きが見られました。
私はあれをセリングクライマックス風の素晴らしい仕掛けだったと考えていますし、同時にセリングクライマックスだったと見て問題ないと思っています。
ただし、間違ってもドル売り方向への仕掛けではなく、むしろドル下落を止めるものだったと考えています。
恐怖指数も大きく上がっていた状況で下げ止めるためにはあの方法しかなかったと思います。
来週、というかこれからですが、トレードする際に8月24日までの下落のことはあまり考えなくて良いと思います。
あの動きがあったことで「また下がるんじゃないか・・・」とか「もう危機は去っただろう」とか、そういう考え方をするとどうしても難解な相場になってしまいます。
むしろ、先週の例外的な動きがするまで自分がどう考えていたかを思い出し、それを重視するべきだと思います。
例えば、私は利上げ開始でドル売りになると思っています。そのことは今回の株式大幅下落とはなんら関係がなく、今のところ揺らぐことのないトレード材料です。
私の場合すでに9月の利上げについて考えを切り替えています。
ブラックマンデーが起きるかもしれないとか、世界恐慌が起きるかもしれないとかそんなことは起きなければわからないことであるからです。
依然として重要なのは9月のFOMCであり、利上げなら事実売りのドル売りがくると考えています。
今はそれまでの自律反発と見ていいと思います。
また下がるんじゃ?と思っているうちはなかなか下がらないもので、ドル買いについていくのも良し、再び下落するようならそれからドル売りでついていく方向でもどちらでも良いと思っています。
今までと同じトレードをしていれば何も問題ありません。
EUR/USD
EUR/USD(日足)
リスクオフ時にユーロが強いことはわかっていましたが、まさか1.17まで上昇するとは思っていませんでした。
何が起こるかわからないのが相場ですがキャリー相場というのはこれくらいのことはあるものなのです。
とりあえずリスクオフも落ち着きチャネルの下限までは降りてくるのかなという感じです。
上値もそこでちょうど抑えられているので完全にこのチャネルは意識されているはずです。
チャネルを割ればみんな大好きパリティも見えてきますが今のところはまだ上だと考えています。
チャネル下限にFOMCをぶつけてくる可能性もあります。仮に下限まで降りてきた場合私なら「買い」しか考えられません。
そのあたりでようやくユーロ売りを手にする個人投資家も増えそうですし・・・。
とりあえず短期でなければ売りで入る理由はそれほどありません。
USD/JPY
USD/JPY(日足)
一度割れたトレンドライン(赤い線)まで戻ってきていますが、ユーロドルの下値余地を考えればドル円の上昇トレンドラインは再度上に抜けてくるような気がしています。
もし中期で見た下降トレンドにすでに入っているのであればこのラインで確実に抵抗され下落すると思います。
なので上に抜けてくるようであれば122-123円台は簡単にいくと見ていて良いと思います。
ただ125円を突破できるかどうかは疑問で、ある程度戻した後に再度米株式の下落によって「ゆるやかに」下がっていく可能性はあると思います。
利上げが近づけば近づくほど株式を買う理由はなくなるので先月よりも上値は重くなっていると思っています。
あまり慌てて買いでついていく必要はないと思います。
GBP/USD
GBP/USD(日足)
問題はポンドです。
ポンドの対ドルでのポンド高から一転大きく下落していることはかなり懸念しています。
これでは押し目を作りに行っているのか、本当に下落しているのかの判断がつきにくいからです。
そもそもポンドというのはボラリティが大きいのはわかっていることではありますが、ここまで上昇トレンドの形を崩しにくる必要があるのかは少し疑問です。
この下落が続くようであればポンドドルのトレンド転換はもちろんユーロドルのトレンド転換の可能性が消える場合も大いにあると考えています。
来週は少し注視する必要のあるペアです。
今回のセリングクライマックスについて
さて、今回の株式とドルインデックスの下落が落ち着いたことによってリスクオフからリスクオンに移る場面であきらかに変わった点があります。お気づきでしょうか?
来週からの動きはその点が結構重要なものになるのではないかと思っています。
一度整理してみます。
1. 8月24日までの株式上昇時(株高ドル高のリスクオン)
原油→38ドル付近まで下落
豪、キウイ等の資源国通貨→通貨安誘導政策による下落
ドル円→円売りによる上昇
2. 株価暴落時(株安ドル安のリスクオフ)
原油 → 株式懸念によるさらなる下落
豪、キウイ等の資源国通貨、新興国通貨 → リスク回避によるさらなる下落
ドル円→円買いによる下落
3. セリクラ後(8月25日から)の株式上昇時(株高ドル高のリスクオン)
原油→株式上昇の楽観による上昇
豪、キウイ等の資源国通貨、新興国通貨 → リスクオフの巻き戻しによる上昇
ドル円→円売りによる上昇
1と3の状況では株式、ドルインデックスだけを見た場合同じリスクオンです。
どちらも株とドルが買われている状況です。
注目するのは、原油、資源国通貨、新興国通貨です。
それらに焦点を当てて見た場合1と3の状況とはあきらかに真逆の動きをしていることがわかります。
今までは資源国通貨や原油はリスクオンだろうがリスクオフだろうが、かわいそうなことに売られる運命にありました。
それだけ弱く、買われる理由はなかったのです。
しかし、突然のリスクオフによって傾き過ぎた対ユーロや対円の豪売りが、むしろ自律反発によって上昇を促している場合があります。
その証拠にユーロドルやドル円でドルの買い戻しが入っているのに対して豪ドルやキウイドルは反応しておらず、むしろ逆相関的な動きでその度に少しずつドル売りされています。
AUD/USD・EUR/USD(1時間足) オレンジ色のライン→豪ドル 赤色のライン→ユーロドル
上のチャートではユーロドルと豪ドルの動きを一つのチャートで比べています。
水色のライン(セリングクライマックス後のリスクオンとリスクオフの切り替わり)を境に対ユーロではドルが買われる一方で、対豪ではドルが売られていることがわかると思います。
つまり、一時的にかもしれないですが豪がユーロよりも強くなっているということです。
この状態でドル買いが進まない場合、資源国通貨や高金利通貨の価値が見直され出してくる可能性を考えても良いと思います。
WTI
WTI(日足)
原油は依然まだ下降トレンドですが一度上値を確かめにいく可能性があると思います。
この株式の上昇と原油の上昇の一致はかなり資源国通貨にとって買われるための良い材料だと思っています。
仮に週が明けてもドル円が強いようなら豪円やキウイ円の買いがかなり良いのではないかと思います。
来週は単純にドルを基軸にして「ドル売り」や「ドル買い」をするのではなく、通貨ペアごとに「豪ではドルを売る」や「円ではドルを買う」といったトレードの方が良いと思っています。
対ドルで同じ方向にポジションを取らないのはヘッジにもなりますし、今だからこそトレードしやすい通貨が見えてくるはずです。
以前書いたこの記事での考え方が生きてくる相場であると思います。
よければお読みください。
ただし、それもFOMCまでです。FOMCではドルを基軸にした考え方に再度移行させる必要があります。
来週もよろしくお願いします。